2001.1.10更新

デイジー川嶋の 新世紀シネマエッセイ 001
 じゃ〜ん、じゃん、じゃじゃん、じゃじゃじゃ〜ん、じゃん、じゃんじゃんじゃんじゃんじゃじゃじゃん、じゃじゃじゃ〜ん、じゃん(いきなりなんじゃんじゃん)。
遂に「2001年宇宙の旅」が始まった。映画ファンなら、そんな幻想を誰もが必ず持つ新世紀の到来だ。20世紀から21世紀という百年に一度の瞬間を、俺は2万人の観客と共に「奥津軽2000年祭・立佞武多(たちねぷた)大昇天」の会場で迎えた。皆の夢を乗せたロケット「親子の旅立ち」と共に宇宙へ旅立ったのだ。悪天候の中、開催そのものが危ぶまれたものの、奇跡的に晴れ上がり、最高のカタチで21世紀のスタートを切ることができた。

 しかし、現実は哀しい。「未来」はなく、「現在」は「現在」のまま残された。夢も希望もない日常。緊張感のない平和ボケした日本の中で、変革なき変化でごまかす社会。映画館の大スクリーンの中にしか新しい希望を見出せない。
そこで出逢った偉大な一本の映画。俺が生涯のベスト1と位置づけている映画「サウンド・オブ・ミュージック」の裏版とも言える「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だ。昨年の「カンヌ映画祭」の感動の嵐が、20世紀末に日本に上陸。
主演のビョークに圧倒された。こんな切ないミュージカルは初めてだ。そして、俺は嗚咽した。涙をこらえようとして嗚咽した。そしたら、そういう観客が何人もいた。昨今、嗚咽するほどの映画はない。「映像の世紀」と言われた20世紀。俺たちは生まれながらにして幸運にも「映画」と生きて来た。その偶然には感謝するしかない。映画のなかった時代には生まれたくない。世の中がデジタル化している。それを否定はしないけれど、フィルムの持つ質感、劇場のライブ感覚、対峙する観客の集中力。それらが一体となった時、永遠に残る記憶が生まれる。俺の「映画的人生」も30年目に突入する。映画から何を感じるか。

新世紀も俺たちは映画と共に生きて行く(おぉ、なんてシリアスな第1回目)。