デイジー川嶋の新世紀シネマエッセイ
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vol.042  2004.9.21更新

 過ごしやすい秋を迎え激動のこの夏を振り返った時、一生に一度の素晴らしい出逢いがあったことを忘れないだろう。8月8日、岩木町で「寅さんシリーズ」で有名な山田洋次監督の講演会があった。
この講演会の企画をしたのが、山田監督の「学校」シリーズに感銘した小学校の国語の先生たち。その全国大会が青森県で行われるので、一年前から相談を受けていた。難しいと知りながら、いろんな方の助言を仰ぎながら実現に漕ぎ着けたのだが、全ては先生方の熱意と情熱だった。
青森県側の主催者代表の先生が俺の小学校時代の同級生であったことから話は始まったのだが、何しろ日本を代表する憧れの映画監督。俺だって緊張する。やはり大御所で、気さくな中にも威厳があり、会話が途切れることもしばしば。しかし、発する短い言葉にもユーモアがあり、とても素晴らしい時間を過ごせた。会話から感じる人情味とユーモア。やはり、寅さんは山田監督そのものだった。
寅さんの4作目「男はつらいよ奮闘篇」で深浦町など西海岸に来ているが、嶽温泉に立ち寄った写真が記憶に残っている。それは東奥日報社が発行した「あおもりシネマパラダイス」に大きく掲載されている。この本が今回の山田監督へ講演を依頼することに役立ったのだが、この発行年月日が「平成8年8月8日」だった。この編集に尽力された故・奈良毅彦氏も喜んでくれたと思う。
700人の参会者で大盛況となった全国大会。先生方にも大きな感動を残し、送迎接待係の俺にも素晴らしい一日となった。

 最新作「隠し剣 鬼の爪」(来年の青森ねぶたの題材になりそうな題名ですのぉ)は10月30日公開。前作「たそがれ清兵衛」が物凄い感動を呼んだ新しいタイプの時代劇だったので、「それ以上の感動は無理かなぁ」と思いながら、一足早く試写会で観る機会に恵まれたので出かけた。いやぁ、絶句。時代劇が苦手だという若い人にも楽しんでもらえる歴史的な名作になった。山田監督は凄い。またまた凄い作品を作ってくれました。人情的な喜劇でもありながら、超コーフンのクライマックス。もう一度観たくなった。大スクリーンで。これまでの名作もDVDやビデオで持っているけど、この映画の凄さは大スクリーンで味わうべきもの。映画ファン必見!時代劇ファン必見。日本人必見!