デイジー川嶋の新世紀シネマエッセイ
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vol.047  2005.2.10更新

 2月11日、木造町、森田村、柏村、稲垣村、車力村の1町4村は新設合併をして「つがる市」となる。新市のキャッチフレーズが「新田の歴史が彩る日本のふるさと」と言う。古くからの歴史と文化を持つ土地ではあるが、主幹産業は農業。津軽藩の新田開拓によってできた農村地帯である。この地域に映画館がなくなって久しい。西津軽郡全体を見渡しても「映画館不毛の地」として過ごして来た。青森、弘前へ1時間かけて出かけられる人はまだいいが、それ以上かかるとなると、映画ファンはビデオレンタルで欲求を満たしていた。

 そんな土地に、8スクリーンを持つシネコン(複合型映画館)「シネマヴィレッジ8・イオン柏」が2003年8月に誕生した。「村」にシネコンというのは全国的にも珍しいらしい(合併後は「市」だが)。最初は戸惑っていたが、次第に慣れて来るとシネコンの便利さを痛感する。俺の場合は車で約5分。こんな近いところで、東京と同じタイミングでロードショー作品が観られるのだ。アート系の路線も入っているので、次から次へと話題作を観ることができた。地元の映画ファンだけでなく、県外からも訪れるお客。青森県に新しい映画ファンの「溜まり場」ができたのだ。俺たちは大満足である。

 が、しかし、当然それで収まる映画ファンばかりではない。「あれやって、これやって」と欲求は高まりを見せる。そこで、俺の今年最初の仕掛けとなるのは、地元で組織した「スクリーン9」の自主上映会だ。「シネマヴィレッジ8・イオン柏」のサポーターズクラブだが、8スクリーンあるシネコンなのに「なぜ9?」とよく聞かれる。それはこの組織が「9番目のスクリーン」を目指しているからだ。実際は8スクリーンの中のひとつをお借りするのだが、自分たちでリスクを背負って企画して、年に1〜2回の上映会を開催したい。

 今回は会の設立一周年と「つがる市誕生」を記念して、スクリーン9もより多くの人に参加していただきたく今回の上映会となった。何本かのリクエスト作品があったものの、超大作は配給の関係や料金の問題もあり実現に至らず、最後は俺がリクエストした「サウンド・オブ・ミュージック/製作40周年記念ニュー・プリント・デジタルリマスターバージョン」に決定した。

 なぜ、いま、この映画なのか。単純に俺の中の永遠のベスト1だからでもあるのだが、この先行き不安な世の中で、この作品で何かを問いかけたい。音楽映画であり、純愛映画であり、そして、反戦映画でもある。子供から大人まで楽しめ、そして心に染みる深い感動。何度観ても発見があり、色褪せることがない。人々の心に限りない感動と希望を与え、世紀を超えて愛され続けるミュージカル映画の最高峰である。昨年首都圏で公開されたが、なぜか県内では未公開だった。「ローマの休日」「ゴッドファーザー」といった往年の名作をデジタル・リマスター版で観た時の興奮と感動は凄かった。正直、こんなに驚くとは自分でも意外だった。やはり劇場の大スクリーンで観ると違う。

 2月13日(日)午後2時から5時まで1回のみの上映。限定200名様。会員は5百円。一般の人も千円の前売り券を発売中(当日は千五百円)。この機会に入会してくれれば勿論、会員扱い(年会費は千円)。受付は当日の午後1時から。入場は1時40分から。ちなみに沢田研二が「ジュリー」と呼ばれているのは、この映画の主演女優ジュリー・アンドリュースのファンだったことから来ている(それがどーした?)。こんな時代に、もう一度、あのジュリー・アンドリュース演じるマリアに逢わせて下さい。俺の中の純愛映画でもある。シネマヴィレッジ8・イオン柏で逢いましょう。