デイジー川嶋の新世紀シネマエッセイ
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vol.053  2006.1.10更新

 いきなり真冬が到来した今冬。いつも「今年は暖冬」という長期予報が流れるが、いつもだまされる。でも、雪が降らない韓国人には「雪はビューティフル!ブラボー!」という感じで美しいものらしい。実際、全てのものを白く覆いつくしてくれると、心が洗われる気にはなる。
2006年7月13日にオープンする「青森県立美術館シアター」の開館プレイベントとして12月に「韓国映画祭」が開催された。12月としては珍しい大雪・猛吹雪・大寒波の中、実に多くのお客様が来場してくれた。俺たち「あおもり映画祭実行委員会」が協力したのだが、ある参加者からこんなメッセージが届いた。
「いやぁ、『韓国映画祭』は素晴らしかった。映画も良かったけど、あの雰囲気であの大物揃いで、話し合っている内容もレベルが高くて。絶対もう一度、何度でもやるべきですよ」
と絶賛の嵐だった。もう一度同じ企画はないとは思うが、「あおもり映画祭」の中で、チーム「桃茶娘。」が続けている韓国映画路線でその真髄には触れられるはずなので、6月に開催の「@ff第15回記念あおもり映画祭」に乞うご期待下さい。

 さて、お正月映画の本命の一本、「男たちの大和/YAMATO」はやはり泣けた。仲代達也の若い頃を演じる松山ケンイチ(むつ市出身)には映画俳優として大いなる未来を感じた。「NANA」では意表をついたベーシスト役だったが、今度の本格的な役作りには驚いた。仲代主演でむつ市でロケされた名作「御用金」(1969年)以来、松山と仲代に実の親子のような下北半島を結ぶ何か運命的なつながりさえ感じた。

 ところで、1月28日に作家・高村薫氏の講演会や三村申吾青森県知事との対談がある。高村薫氏と言えば、一昨年の話題作「レディ・ジョーカー」(新郷村ロケ作品)の原作者だが、話題作「晴子情歌」では冒頭から青森県西津軽郡木造町(現つがる市)筒木坂地区が舞台として登場する。その後の「新リア王」にも再び筒木坂地区が出て来る。これが映画になったら凄いんだけどなぁ。この「筒木坂」の地名の由来が「陶器が出る坂」なのだと、昨年11月の「亀ヶ岡文化研究センター」での村越潔弘前大学名誉教授の講演で判明した。
有名な遮光器土偶が出土した「亀ヶ岡」は「瓶が出る丘」から来ている。筒木坂は亀ヶ岡のすぐとなりの集落で、ここも遺跡としてはほとんど手をつけられていない未開の夢の地。この一帯が国定公園になっているため規制も多く、また実際に人が住んでいるため発掘調査は容易ではないが、この神秘の坂と丘がSF映画にならないか、いずれスピルちゃん(って誰だ?)に尋ねてみたい。
「縄文」と「映画」は俺のライフワーク。映画祭、フィルムコミッションと盛り上がる昨今の青森県。俺も夢の企画をいずれ提案してみたい。ということで、2006年も青森市内ロケの映画の協力から始まる予定だ。
皆様、今年も宜しくお願いいたします。