こいつぁ春から縁起が良いや
年末年始は TVも普段と違い、レギュラー番組もお休みして数々の特番が放送される。正月中は自分が仕事だということもあり、あまり見ないが、それでもいくらかは見る。 年末の紅白歌合戦は、母と弟家族と自分の家族と一緒に年越しをするBGMみたいなもので、なんとなくかけている程度。正月の、駅伝、サッカー、ラグビー、アメフトなどのスポーツ観戦も昔ほど見なくなった。特にライスボウルなどは、わが母校のフェニックスが凋落の一途をたどり、ここ数年出場してないのでリキ入らない。ラーメン番組も飽きた(ありゃー食うもので見るもんじゃない)。映画もビデオがなかった昔みたいに一生懸命見なくなってしまった。正直言ってつまらないのである。 その中で今年早々唯一ちゃんと見たのが「忠臣蔵」!それもTV東京の10時間ぶっ通しのやつ。最初はバカにしていたのだが見ているうちに見入ってしまった。その原因?は吉右衛門にある。姿が良いというかその所作のすべてが素晴らしい。最初見たときオヤジの松緑にそっくりになって来たなと思ったり、鬼平が大石をやってるみたいと思ってみていたが、吉右衛門一人に魅せられてしまった。あとの役者なんかどうでもいい。吉右衛門が内蔵助を演じているだけですべて許す。筋書きはプライドなど無いのだろうかと思わせるほどの酷さ。過去の東映・東宝・大映などが作った忠臣蔵のエピソードをそのままパクッている。それがまたヘタクソ極まりなくとも、その後に吉右衛門が出てくると、もうどうでも良くなる。役者のチカラとは、このことなのだ! 考えてみると日本映画の黎明期も尾上松之助を始めとする歌舞伎役者が映画という新しい産業を築き上げていったのだから当たり前といえばそうなのだが、それにしても、伝統芸能の大切さと凄さを垣間見せられた感じで、TVの前で“播磨屋”っと叫びたいくらい良い役者の良い芸を正月早々見せてもらった。近年、吉右衛門に続く若手の歌舞伎役者も育ちつつある。「ピンポン」(というか「HR」の鷲尾君の方が通りが良いか)で脚光を浴びた中村獅童、今年のNHK大河ドラマで宮本武蔵を演じる市川新之助(未来の団十郎がまたいい)。娘が“ネブタ”の顔している“とのたまった”が、まさしく役者顔(でかい)。競演の堤真一がうすけなく見える。その他にも市川笑也などの猿之助の弟子たちなどこの後、楽しみな役者がたくさんいる。なぜに今歌舞伎役者なのか、それは別に時代劇ばかりの話ではなく現代劇でも今のTV役者との差が歴然としているからだ。立ち居振る舞いやセリフ回しも含めて演じるということがどういうことなのかを幼い頃から叩き込まれている梨園の子供たちと何の基礎もできてない役者もどきとでは比べるほうが酷というものだ。その点、今回の「忠臣蔵」は役者の力量の差のコントラストがはっきりしていて面白かった。
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