1997.6.25 更新

「傷天・黒天・下天−
 天使が舞い降りたあおもり映画祭」

 メディアプランナー/デイジー川嶋


 何はともあれ、無事「第6回あおもり映画祭」が終わった。 実に過去最高の観客動員数4千2百人を数えた。 トータルすると2万6千2百人のお客さんが俺たちの映画祭に参加してくれた。 行政や広告代理店が関わる巨大映画祭と違って、わずか20人の民間スタッフでやっている極私的な映画祭なのに、 よくぞここまで成長したものだと思う(自分で自分を誉めてあげたい、ってが)。

 今年の目玉は「徹底検証」シリーズ。青森県が誇る国民的映画「八甲田山」の公開20周年 を記念して脚本家・橋本忍を特集した。79歳という高齢なのによくぞ来てくれた。 そして、昨冬青森県内で長期ロケを敢行した「傷だらけの天使」(以下「傷天」)の公開を 記念しての映画監督・阪本順治の特集。ゲストに杉本哲太、真木蔵人、そして、豊川悦司。 とくに豊川様は地方映画祭としては異例の2年連続の参加(神様、仏様、豊川様だ)。 実はこれが大変だった。主役のはずの映画よりもゲストに話題集中。俺たちは電話の対応に 追われた。今になって楽しい思い出でもあるが、青森県人とはどうしてここまで騒ぐのか。 大変、いい勉強になった。

img img
 お蔭で俺は10キロ痩せた。途中、病気をしたせいもあるが、実はヤクルトの影響が大きい。 巨人ファンの俺には今年ほど胃が痛くなる年はない。ヤクルト独走なんて、こんなつまらない プロ野球はない。なのに、俺はヤクルトに救われた。毎日2本ヤクルトを飲んでいたら見事に シェイプアップブラ(お前はオカマか!?)した。何の話かわからんようになったが、皆さんも ヤクルトをどうぞ。

 話は飛ぶが、阪本監督は言った。2年前の「第4回あおもり映画祭」での「トカレフ」上映が 「傷天」につながったのだと。「第5回あおもり映画祭」は豊川悦司特集。そして、「傷天」 青森県ロケ。「第6回あおもり映画祭」での阪本監督特集。ゲストに豊川様再び。こんな運命の きずなが生まれた映画祭なんて、そうザラにはないぜ。全国的な話題にもなったが、「あおもり 映画祭」とはそうした人と人との縁を大切にする。10月東映系公開予定の「ライ・ライ・ライ」 も全国初の上映をした。「櫻の園」「12人の優しい日本人」の中原俊監督作品。豊川様、鈴木 保奈美、佐藤浩市の3人主役。実に不思議な映画だった。秋には話題になっているだろう。 かなり笑える。この中原監督も「あおもり映画祭」の常連で、青森と温泉が好きな映画人。

 青森が好きな人と言えば「学校の怪談3」の公開を控えている金子修介監督、「黒の天使」を 撮影中の石井隆監督もそうだ。石井監督は次回作に青森ロケを熱望している。

 そして、今年の映画祭の注目株だったのが、音楽ビデオの世界では岩井俊二とならんで2大天皇 と呼ばれた下山天監督(平内町出身)だ。劇場映画デビューとなった「キュート」は大変な話題になった。

img
 そして、早くも2作目「イノセント・ワールド」が7月にクランクイン。ロケ地が本州最北端・ 龍飛岬のある三厩村に決定。単なる田舎と侮ったら痛い目に合う。下天マジックでヨーロピアンな 世界に生まれ変わる。主演に安藤政信、竹内結子、豊原功輔という豪華なキャスト。 来春の超話題作だ。

img
 「傷天」「黒天」「下天」と今年の天使は大忙しだ。これが「あおもり映画祭」に舞い降りた天使 の幸運。巷では「強力脱臭シネパラ効果」と呼ばれている。「シネパラ」とは「あおもりシネマパラダイス」 (東奥日報社刊)のこと。青森県で起きている映画に関わるムーブメントは全てこの本から生まれた。 現実が予告通りになることから「恐怖新聞」とも呼ばれている。いや、実際にここ数年の青森県の映画の 盛り上がり方は尋常ではない。

 わがままでいい加減な「あおもり映画祭」だが、他の映画祭にはない不思議な何かがある。 来年の6月「第7回あおもり映画祭」で逢いましょう。7番目が一番、怖い。ということで 今年の映画祭は終わった。次の機会には「イノセント・ワールド」のロケ地便りや、その他の「強力脱臭シネパラ効果」についてお伝えいたします。 皆さん、良いお年をお迎え下さい(違うダロ!)。


『第6回あおもり映画祭』観客動員記録(1997年)


(1) 5月30日 「深い河(青森)」 1,000人
(2) 6月 4日 「徹底検証・橋本忍」 200人
(3) 6月 5日 「キュート」 200人
(4) 6月 7日 「インデペンデンス
TODAY」
150人
(5) 6月 7日 8日 「深い河(弘前)」 500人
(6) 6月 9日 「キッズ・リターン」 120人
(7) 6月11日12日 「秋桜(青森)」 520人
(8) 6月13日 「深い河(八戸)」 500人
(9) 6月14日 「徹底検証・阪本順治」 550人
(10) 6月16日 「ライライライ」 260人
(11) 6月18日 「秋桜(木造)」 200人
  合 計 4,200人

(「あおもり映画祭」トータル26,200人=協賛・共催企画含む)