バックナンバー 2002.9.30更新

デイジー川嶋の新世紀シネマエッセイ vol.018
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 小泉首相が北朝鮮を訪問し、国交正常化交渉に乗り出したことには驚いた。これは歴史的なこと。拉致事件の納得できない問題は勿論あるが、何しろ戦後50余年、国交がない唯一の国だった北朝鮮。国連に加盟している国・地域は2百有余。北朝鮮を除く全ての国と日本は国交がある。この近くて遠い国との国交正常化は、北東アジア、世界の平和に貢献するだろう。今年のサッカーW杯が日本と韓国の共同開催だったが、何か大きな歴史の総決算が行われアジアが新しい時代に突入するムードが漂っている。それには侵略して行った国としての日本の責任も当然あるだろう。それを精算しなくては本当の安心な安全はやって来ない。この秋、シネマディクトで観た「鬼が来た!」は衝撃の一作で、しばらく席を立てなかった。この「鬼」とは「旧日本軍」のことなのだが、映画だから誇張しているとは思うが、「日本軍は中国大陸で何をしていたんじゃあ!?」と自分の国を情けなく思いながらスクリーンを見つめていた。昨年中国を旅した時も感じたことだが、アジアが日本を見つめる視線はとても冷たい。戦争を美化してはいけない。日本が犯した過ちは軽くない。
 友人の公務員と「市町村合併」の話が盛り上がった時に、究極の合併が「国と国の合併だ」という話になった。既にヨーロッパがひとつになりつつあるし、日本はアメリカの州の一部分のようなものだ。その友人曰く「州じゃない。ただの基地の島だとアメリカは思っている」と。「パンを食べる米国」と「米を食べるジャパン」が合併?わずか50年前に闘った米国にジャパンが吸収されつつある。
 秋の話題作「トータル・フィアーズ」「ウインドトーカーズ」といった昨年の同時多発テロ事件後に作られた戦争映画は、近未来を擬似体験してるかのようで、面白さと怖さが同居している。「攻撃・空爆」を「正義の手段」としアメリカ国民を高揚・扇動している作り方になっているからだ。そして、ブラックジョークのようなセリフがあった。地上戦で激しく戦いながら「あと50年もしたら奴らも味方になっていたりしてな」「まさか」と笑いながらつぶやく。そして、殺し合うのだ。
 一体、同じ人類が何をしてるんだろうと思う。近所に住みついたノラ猫同志が縄張り争いをしてケンカしている様を見ていると、「これこれっ。ここはお前たちが争う縄張りというものはないんじゃよ。ここはワスの土地じゃ。どうして猫同士、仲良く暮らせないんじゃ?」とD爺さんは思うわけだ。多分、神様も人類の争いをそう思っているはずだ。狭い地球の限られた資源を求めて争い続ける人類。もしも宇宙からの侵略者が訪れて来たら、人類はどうするのか。きっと「世界はひとつ。人類みな兄弟姉妹」と唱えていることだろう。正義の名の下に殺戮する戦争に正義などなく、立場が逆転すれば逆の悲惨さが待っている。「報復の連鎖」からは平和は生まれない(今回の俺って渋すぎっ)。 
 
 
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