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1974年2月3日。弘前東宝劇場に「アマゾネス」を見に行ったD少年は、併映の「燃えよドラゴン」に衝撃を受けた。中学3年生のD少年はブルース・リーの世界に魅せられ、香港カンフー映画に夢中になった。同時に格闘技に目覚めるきっかけともなった。A猪木の格闘技世界一路線が盛んに行われ、東洋の神秘的な様々な格闘技は世界中でブームになった。「映画」と「格闘技」という異なるジャンルを結びつけたのがこの一本である。当時小学生だった船木誠勝はこの映画を観て、実際にプロレスラーになり格闘家になった。そして、アクションスターとしての道まで歩んでいる。世界中の子供たちに大きな影響を与えたこのアメリカ映画の舞台が香港である。 以来、28年。数多くの香港映画を見て来たが、夢のまた夢の世界として実際の旅行は温存していた。 月日は流れて、D少年はD爺さんとなり、遂に香港上陸を果たした。昨夏、中国の北京に初めて行ってから、北東アジアへの関心がグッと高まった俺は、この秋、待望の香港遠征。中国に返還され安全な都市になったとは言え、九龍や香港島は「燃えよドラゴン」のイメージそのままで身震いがした。ジャッキー・チェンに会いたかったけれど、家の門が閉まっていて会えなかった(当り前じゃ)。 香港はイギリス領だった。その間、返還まで99年。皇帝は神の生まれ変わりと信じられていた。天高く昇る龍が神。香港から8つの島が見える。8つの龍に守られた9番目の龍が皇帝。それで、この地を「九龍(クーロン)」と名づけた。その地を奪ったイギリスは「永久に」という意味で99年の植民地化を不平等条約で中国に押しつけた。その意味を重く知っているのは中国の方なのだが、数字的に「99年で返還」を強く求め、イギリスもそれに従って返還した。現在は安全な都市として、危ない場所を全面的に排除。全世界から多くの観光客が訪れる。英語と日本語と広東語が入り混じるが、日本円が使えるため日本人観光客は相変わらず多い。香港の街には高層ビル・マンションが多い。「地震があったらどうするんだろう」と思ったが、火山帯の島ではないために地震がないのだそうだ。そして、神に近づくために高い場所、高い場所へと近づきたがる。ビルの表面にガラスや鏡貼りが多いのも邪悪な神を遠ざける意味があることや、街の作り、家の作りが「風水」に基づいていることなど、なるほど・ザ・ワールドであった。しかし、99%の住民がマンションに住み、一軒家に住む住民はごく少数の金持ちだけ。その一人がジャッキー・チェンで、香港島では2番目に高い場所に住んでいた。100万ドルの夜景として有名な香港。実際、夢の中にいるようだった。 そして、面白い話。当の香港の人たちは「世界3大夜景」の一つに「函館」をあげるという話があった。スケールが違い過ぎてピンと来なかったが、「雪」に憧れる香港人が数多く函館を訪れているのは確からしい。そうなると劣等感ばかりも感じていられない。雪なら青森県の方が凄い。あの地吹雪で見る夜景は目も開けられない眩しさだ(自慢になるかいっ)。函館の夜景と言えば、もうすぐ「函館港イルミナシオン映画祭」の季節だ。今年は12月6日(金)からとか。香港からつながった映画と夜景の幻想的な夢。今年はどんな映画の幻想を魅せてくれるのか楽しみになって来た。
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