バックナンバー 2002.11.26更新

デイジー川嶋の新世紀シネマエッセイ vol.020
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 今秋、平内町出身の下山天監督の「マッスル・ヒート」、太宰治の生涯を描いた「ピカレスク−人間失格−」、弘前市出身の俳優・新井浩文が準主役で出演している「青い春」と、立て続けに青森県に関係のある映画が公開された。同郷なら何でも誰でもいいというわけではないが、新井浩文のことは青森県芸術パーク・学芸員の立木祥一郎さんも絶賛していた。俺も今年の「あおもり映画祭」で「ピンポン」と一緒に漫画家・松本大洋特集も面白いと考えていた。この「青い春」では主役の松田龍平を食ってしまうほどの存在感だった。先日、シネマディクトでの舞台挨拶を見たが、ふてぶてしいまでの自信と上を目指す貪欲さに好感が持てた。近い将来、とんでもない大物になりそうな予感がする。
 近々、織田裕二主演の「TRY/トライ」という映画が公開される。日本人詐欺師が身体一つで上海へ殴り込む話。この映画の宣伝文句が「武器は頭の中にある。」だった。やはり、キーワードは「武器」だ。今秋の香港は楽しい旅だったけれども、実は自己嫌悪に陥ってもいた。日本語とカタコトの英語、身振り手振りで買物もできるし、生活するのに特別大変なところではないが、俺の姿というのは典型的な日本人観光客であって、多少のお金があるから寄って来るけど、ビジネスマンとして世界で通用するほどの「武器」はない。語学ができないと「企画」もできない。単純に「語学」の問題ではなく、言葉が通じなくてもコミュニケーションできる武器がないということだ。
 ちょうど北京で「GLAY」のコンサートがあって、香港でも大きく取り上げられていた。音楽は確かに国境を超える。言葉を超えた表現。人種のルツボであるアメリカの商業マーケットは、単純でわかりやすいデザインが大量生産される。多くの民族が暮らすので言葉が通じない人たちが多い。それを乗り越えたのが、記号・マークであり、デザインだった。それが世界中を席捲した。「アメリカン・スタンダード」が「グローバル」になりつつある。アメリカ映画が世界中に浸透したのも理解できて来る。日本の文化は諸外国には理解されにくいが、生き残る道は「逆スタンダード」ではないか。日本独自のもの、青森独特の文化を大切に守ることが必要なのだ(鎖国しろってが)。
 
 
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