title 降りしきる雪が
 全てを包み隠そうとも
  真実は埋もれない・・・
<キャスト>
 イーサン・ホーク
 ジェームズ・クロムウェル
 工藤夕貴
<監督>
 スコット・ヒックス


しんしんと雪が降り積もる。切々と愛が甦る。
これは、一つの裁判をきっかけに再会した、男と女の物語。歳月を経て複雑に重ねられた二人の愛の断層が、ある殺人事件を媒介に、哀感と叙情を込めて描き出される。
数々の賞に輝き、30か国で読まれたベストセラー小説を、あの『シャイン』で世界中を感動させたスコットヒックス監督が映画化。戦争という大きな時のうねりの中で引き裂かれた、アメリカ人青年と日系人の娘の心の軌跡を、美しいフラッシュバックで謳い上げていく。男は、故郷で新聞記者になった。彼がかつて愛した女は、今は、第一級殺人に問われた被告人の妻だった。一人の漁師の怪死をめぐる裁判を軸に、複雑に絡み合う過去、裁かれる今、守るべき愛が、鮮明にえぐり出されていく。失われた愛のありかを求め、それぞれの孤独と沈黙の中で喘ぐ主人公の姿が、深い感動を呼び起こす。

新聞記者イシュマエルには、『大いなる遺産』のイーサン・ホーク。過去に縛られた主人公の苦悩を、抑えた、しかし、力強い演技で描き出し、役者として大きな前進を見せている。イシュマエルの昔の恋人、日系人のハツエには,『ピクチャープライド』などで国際的に活躍する工藤夕貴。監督の指名でこの大役に抜擢され、アメリカのメジャー作品での本格的初主演を飾った。
この作品は、回想シーンの中にさらに回想シーンが登場する上、何人もの心象風景が錯綜する複雑な構成になっている。少ない台詞と鮮やかにさばかれた映像が、過去と現在を巧みに結び、製作陣の力量を感じさせる。監督は、オーストラリア出身のスコットヒックス。96年、『シャイン』でアカデミー賞の7部門にノミネートされ、一躍、国際舞台に踊り出た。人の心の琴線に触れる映画作りの手法が、本作でも十分に生かされた。


STORY
 舞台は、ワシントン州北西部の小さな湾に浮かぶ、人口5千の移民の島。幼い頃、イシュマエルとハツエは、ヒマラヤ杉の洞で愛を育んだ。だが、青い目にやさしい光をたたえた少年と、黒髪の美しい日系人の少女の秘密の時は、太平洋戦争の勃発と共に打ち砕かれた。強制収容所へ送られたハツエは、同じ日本人の血を持つカズオと結婚する。それは、イシュマエルとの永遠の別れを意味していた。その二人が、戦後9年を経た今、ハツエの夫カズオの裁判で再会した。被告席の夫を見守るハツエ。その背中に、傍聴席から見下ろすイシュマエルの視線が突き刺さる。過ぎ去った日々の思い出は美しく、別れの記憶は重くのしかかる。外は、数十年ぶりの猛吹雪。その時、イシュマエルは、ポケットの中で、取材中に見つけた、事件の真相に迫る“あるもの”を握りしめていた。