title 穏やかな春の昼下がり。
突然の来訪者に、封印された恋は密やかに息を吹き返す。
<キャスト>
 フー・ジンファン
 ウー・ジュン
 シン・バイチン
 ルウ・スースー
 イエ・シャオカン
<監督>
 ティエン・チュアンチュアン
 公式ホームページ

「青い凧」から10年。
チャン・イーモウ、チェン・カイコーに並ぶ“最後の第5世代”田壮壮監督待望の最新作!

「青い凧」で第6回東京国際映画祭グランプリを受賞した田壮壮(ティエン・チュアン・チュアン)監督10年ぶりの新作は、中国映画史上初となるリメイク作品。田壮壮が選んだ『小城之春』(48年フェイ・ムー監督作品)は、新中国成立直前の小さな街に生きる上流階級の人々の不安と倦怠に、人妻の密やかな恋情を絡めて描いた心理劇で、チャン・イーモウ監督が、「中国映画のベスト1」として挙げている名作だ。
田壮壮は、抗日戦争の終結と新中国成立直前という時代の狭間に生きる人々の心情が、新世紀を迎えた現代人の心情と重なることに気づき、リメイクを思い立つ。そのアイデアを周囲に話したところ、賛同者が続々と現れた。「子供たちの王様」の原作、「芙蓉鎮」の脚本家としても知られる現代中国文学の旗手アー・チョンが脚本をかって出、台湾からは「花様年華」「夏至」の名カメラマン、リー・ピンビンが参加。そして香港からは、「グリーン・ディスティニー」でオスカー賞受賞者となったティン・イップが、ヒロインの美しいチャイナ・ドレスのデザインを担当した。
国際的に活躍する強力スタッフの集結を得た田壮壮は、5人しか登場しない登場人物に舞台出身の実力派キャストをそろえ、より繊細で濃密なドラマを完成させた。
「春の惑い」はヴェネチア国際映画祭コントロコレンテ部門のグランプリを受賞。
田壮壮の監督復帰は世界から熱狂的に迎えられた。
 


STORY

それは、触れてはいけない恋。

春の惑い 1946年、中国・蘇州。旧家の妻ユイウェンは、長患いの夫リーイェンとその妹シュウと平穏だが変化のない日々を送っていた。
ある日、夫を訪ねてきた久々の来客を見てユイウェンは驚く。それは16歳のときの初恋の人チーチェンだったのだ。二人の関係を知らないリーエェンは、純粋に旧友との再会を喜ぶ。やがてユイウェンは、チーチェンが抗日戦争に参加するために自分の前から姿を消したこと、今は上海で医者になっていることを知る。
その夜、ユイウェンは長い回廊を渡り、チーチェンの部屋を訪ねた。終戦直後の蘇州では、深夜、停電になる。揺らめく蝋燭の明かりだけを頼りに、かつての恋人同士が顔を合わせる・・・。ユイウェンが流した突然の涙に、チーチェンは二人の夫婦仲がうまくいっていないことを察する。
かつての恋人の出現で、にわかに妖しく美しく変貌してゆく妻。妻の変化に気づきつつ、平静を装う夫。友情と恋情に苦しむ恋人。そして上海からの垢抜けた来客に、無邪気な恋心を寄せる妹 ――― 。
深く水を湛えた早春の蘇州。上流社会の旧家を舞台に、切なくも美しい恋のドラマが深く、密やかに繰り広げられる・・・。