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| <キャスト> 大西 滝次郎 寺島しのぶ 大楠 道代 内田 裕也 |
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| <監督> 荒戸 源次郎 |
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| 公式ホームページ | |
――― 解 説 ―――
車谷長吉氏の『赤目四十八瀧心中未遂』(文藝春秋刊)が、第一一九回直木賞を受賞したのは、平成十年七月。その半年前、刊行直後に読んで感動した荒戸源次郎は、車谷氏に映画化を申し出て快諾を得た。
本作で先ず注目されるのは、選び抜かれた俳優陣であろう。
すでに舞台で希に見る大器として高い評価を得ている寺島しのぶが、ヒロインの綾として映画初主演を果たす。生きる目的を失い、この地に流れ着いた男が、綾に惹かれ、至福の時を味わい、やがて死出の旅路へと導かれる。寺島しのぶが、そのようなファム・ファタールを華麗に体現する。
対する主人公・生島与一を演じるのは、新人・大西滝次郎。アパートの一室で臓物捌きに日を送りながら、古の少年のような純で一徹な心を失わない男。そんな男には、日本刀の底光りする艶をもつこの新人こそ適役。
撮影は、一作ごとに新しい試みをしてきた笹松則通が、初めてのシネマスコープ撮影に挑戦した。また音楽の千野秀一と録音の柿澤潔が連携して音の側から、画面に奥行きと広がりを創りだしている。
一人称で書かれた原作が、主人公の意識の流れに沿って世界が開かれていくのに対して、映画『赤目四十八瀧心中未遂』は、むしろ世界の側から主人公を捉える。
生島が歩く路地。彼が臓物に串を刺している四畳半の部屋。隣で交合する男女の声。廊下や階段ですれ違う男や女。荒戸源次郎は、そんな世界を、あたかも、六道の辻のようにして、われわれの前に差し出す。そこでは、この世の表と裏、生と死、美と醜が行き交いすれ違う。そして、そんな六道の辻の一角で己を捨てたつもりの生島の前に、天から舞い降りてきた迦陵頻伽が至福の歓びを与える。ならば、どうして彼女が誘う「この世の外」への旅に同道せずにいられよう・・・・・・。