| 「復讐」シリーズ徹底討論 1997.11.1[SAT] |
|
かつては、監督と助監督の間柄だった黒沢監督と青山監督。 映画祭の間もいつも一緒に行動してた2人のお話し。 |
|
![]()
出席ゲスト(左から) | ![]() |
![]() 藤崎 |
復讐シリーズの1作目と2作目はどちらを先にとったんですか。 |
|---|---|
![]() 黒沢 |
脚本、撮影ともにほぼ同時だったんです。1作目の脚本が高橋さんで2作目が私。 どうせ、2本続けて見るなんてことはないだろう、と思って。 だから、今回のように続けて上映されるなんて予想してませんでした。 |
![]() |
1作目の殺し屋で登場した六平(ムサカ)さんの存在感はすごいですよね。 六平さん、わたしの家から600メートル位の所に住んでいるんですよ。 |
![]() |
六平さんって、すごくいい人なんですよ。今回、私はそんな大した演出してないんです。 |
![]() |
あの、白いセーター姿が妙に印象的なんですけど、何か意図してたんですか。 |
![]() |
いえ、ごく普通の人という感じを出したかったんです。平日の午前中にパチンコ屋に並んでいる人みたいな。 六平さんの身体のゴッツイ感じが出てましたかね。 |
![]() 三上 |
哀川翔を「勝手にしやがれ」からずっと使ってますけど... |
![]() |
ええ、哀川翔で撮ろうというところからスタートしているんです。 刑事だけど復讐する。復讐しても何もいいことないよね、というのがコンセプトで。 復讐して「やったー」というものではないんです。 |
![]() |
私はどちらかというと2作目が好きなんです。わびしくて悲しい感じで。 |
![]() |
1作目は娯楽映画としては筋道がスッキリつけられてわかりやすいと思います。 2作目は、先程言ったようにコンセプトもあり、ヤクザの組長出てきて、本当に復讐なのかと疑問に思えるかもしれませんね。 |
![]() |
ところで、ジャンルものの壊れ方とか壊し方についてお聞きしたいんですが。 |
![]() |
1作目は「復讐とはどんなものだろう」ということを意識して作ったんです。 2本同時に作りましたから、1本がそうなら、2本目は崩す、という感じで。 また、同じことをやりたくないですからね。 撮ってる時は、崩しているほうが気持ちがいいんです。 でも、終わったあと、ジャンルを外した時の恐怖を感じますね。 |
![]() |
「勝手にしやがれ」の1と2も同時に撮ったということですけど、助監督だった青山監督、どんな感じでしたか。 |
![]() 青山 |
シナリオあるから、ごちゃごちゃしないですよね。 |
![]() |
俳優も混乱しないし。正しいのを1本撮るより、以外と楽かも... |
![]() |
大沢逸美さんの誘拐シーンが怖かったですね。郵便受けで一度戻ってその後、白い袋の中で発見される辺りが。 |
![]() |
僕は、絵(コンテ)は書かないんですけど、テレビでやってる「衝撃の映像」とかは刺激的で参考になりますよ。 残酷なシーンはそっけなく撮るのがいいんです。現実ってわりと「エーッ」というさりげない感じなんです。 |
![]() |
白い袋に入っている大沢逸美の身体が小さい感じするんだけど。 |
![]() |
彼女にはなるべく小さくなってくれ、と言ったんです。結構、小さくなるのよ。 |
![]() |
あれで怖さが増しました。 |
![]() |
あの黒こげ死体は... |
![]() |
あれは脚本には無かったんです。スタッフが作ってしまったので、見せてしまいました。 「羊たちの沈黙」で学んだ気がしますね。 |
![]() |
2作目の汚いオープンカーを走らせるシーン、おもしろいですね。 |
![]() |
車のシーンは、撮るのが難しいんです。良くやるのは「牽引」とか「張り出し」ですね。 東京でやると大変なんですよね。でも、出来たものはそれがどーした、という感じのカットだったりして。 無謀にもオープンカーにチャレンジしたんで、撮影は大変でした。 |
![]() |
監督の撮りたいこと、観客の見たいこと、わかってほしいこと、やりたいことについてはどうですか。 |
![]() |
観客が本当に見たいものは撮らないですね。想像させる、という信念でやってます。 |
![]() |
黒沢さんの最新映画は東京国際映画祭でも上映される「CURE」、青山さんは「冷たい血」ですね。 |
![]() |
「CURE」は観終わった後、立ち上がれなかったですね。 日本の映画史はCUREを通じてネジ曲がりますね。役所広司コウジが良いです。 |
![]() |
復讐シリーズと勝手にシリーズのどちらかを映画祭で、と言われたら、 復讐シリーズですね。哀川翔の通俗性や力強さを見て欲しいです。 今後も、「イヤー、おもしろかったな」という映画を撮っていきたいですね。 |