ペルディータ
PERDITA DURANGO

ファックでビッチなイカれた女

1997年/スペイン・メキシコ合作/日本ヘラルド映画配給/カラー/2時間6分/

<PRODUCTION・NOTES>
ペルディータ 「ベルディータ」は猛スピードで語られる(歌われる)爆発的なラブストーリーである。
夜の終わりへの旅。すべての旅人に発行されたのは片道切符。スペイン映画史上最も挑戦的でエキゾティックなこの映画を、たった数行に換言しようとしてもほとんど無理というもの。従って、以下に記すのは強い刺激の混ざった情報である。お気をつけください。ハマりますよ。

カルト・ノベル
バリー・ギフォードはカルト作家である。彼の小説は大西洋の両側で読まれているが、手放しで絶賛する者もいれば、低俗小説ととる者もいる。出身はシカゴだが、生まれついてのボヘミアン。彼が名を得たのは小説『セイラーとルーラ』をもとにした、1990年度のデビッド・リンチ監督のヒット作による。タイトルは「ワイルド・アット・ハート」。ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン、ウィレム・デフォー、ハリー・ディーン・スタントンが出演している。この作品はカンヌ映画祭でパルム・ドール賞を獲得した。

書店から銀幕へ
ギフォードの文体は微細かつ力強い。会話には圧倒的な力がある。登場人物たちは現実を超えたポップな世界に住んでいる。そこはロマンティックであると同時に残酷なところだ。「ペルティータ」には小説のもつこうした迫力が筋の中にはっきりと、時にはあいまいに織り込まれており、彼の作品の中でも最も映画的な小説の一つに仕立てあげられている。スペイン映画界の最もアクティブでサクセスフルなプロデューサー、アンドレス・ビセンテ・ゴメスが脚本権の獲得に乗り気になったのもうなずける。
ギフォード本人も脚本の初期の段階には加わっていた。アレックス・デ・ラ・イブレシアが、成功を収めた作品「ビースト 獣の日」の腕を買われ監督として参入すると、アンドレス・ビセンテ・ゴメスはタビ・トルエパに再考を依頼した。イグレシア自身、そして盟友ホルヘ・ゲリカエチャバリアも共に加わり作品を練り上げていき、ついにストーリーの姿形が決まった。
ギフォードは語る。「アレックスは『ペルディータ』の映画化に最適な監督だと思う。彼の登場人物たちの描き方は気に入っている。映画は異なったいろいろな点で原作を豊かにしてくれた」

国境上の人生
「ペルディータ」はまったく相入れない二つの異なった人生観のぶつかり合いを描いたものであるが、最も悲劇的なのはその二つが国境で出会う時である。片やヒスパニック。宗教、情熱、出生、運命と永遠に結合している。片やアメリカン。テレビの前に座り、プラスチック製品に守られた、お幸せで問題のない人生に型どられている。野生に生きる者と、飼いならされた者。危険な者と、害にもならない者との衝突。快適な人生と、すれすれの人生との対比である。メキシコとアメリカのような二つの国は、現実社会では日常的なつながりが緊密だが、互いに背反する部分もあり、それが必然的にこのような形に反映している。「私なら悪者に見方するよ。彼らはみずからを賭けて究極の人生を生きているんだ」


 
<STORY>
ペルディータ メキシコとアメリカの国境地帯。家族の遺灰を墓地の風に散らしたペルディータ(ロージー・ペレス)は、アメリカへと向かう検問所で、悪魔的な魅力に満ちたロメオ(ハビエル・バルデム)と運命的に出会ってしまう。マッチョでセクシーな悪党のロメオは、いましも相棒のショーティ(サンチャゴ・セグラ)と共に銀行をたたき、マヌケな相棒にトンずらかまして高飛びする所である。
 意気投合して、まんまと国境を越えた二人は、獣のようなセックスにおぼれた。寝物語にロメオはペルディータを“サンテリア教”のヴゥードゥー儀式の手伝いに誘い込む。それは、師アドルフォ(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)のもと、墓場から盗み出した死体を生け贄に、狂気のテンションのなか聴衆から金を集める血塗られた秘儀ショーなのだ。
ペルディータ テキサス州スーシー。ロメオはいとこのレジ―(カルロス・バルデム)からマフィアのビッグボス、サントス(ドン・ストラウド)を紹介され、化粧品に使う胎児の死体を積んだ冷凍トラックを、ラスベガスの秘密向工場まで陸送する仕事を依頼される。古い札束で1万ドル、無事に荷が着いたらもう1万ドルのおいしいヤマだった。出発は明日の夜。その前に、もう一回秘儀ショーをやるべく、ペルディータとロメオは遊び半分で、金髪で白人のコギャル、エステル(エーメ・グラハム)と、そのおバカなボーイフレンド、ドゥエイン(ハーレイ・クロス)を誘拐した。そんな二人の後を、密かに追う男がいた。D.E.A(麻薬取締局)のデュマス(ジェームズ・ガント)だ。
 ロメオの隠れ家である牧場に戻った二人は、若いカップルに教えを論す。人生で最大の楽しみはセックスと殺人さ!そうウソぶいてエステルの処女をいただくロメオに、ペルディータの欲情は再び燃え上がるのだった。
ペルディータ エステルを生け贄に秘儀ショーが始まろうとしたその時、牧場が火に包まれる。裏切られた相棒ショーティが襲って来たのだ。二人は若いカップルを連れて、命からがら逃げ出し、冷凍トラックの到着を待った。運転を引きつごうとしたその時、今度はD.E.Aのデュマスと保安官たちの襲撃を受ける。血みどろの殺戮の中、トラックに乗ったロメオとドゥエイン、4WD車に分乗したペルディータとエステルは何とか逃げおうすのだった。この一件はさっそく、手下をうしなったサントスの耳にも届けられた。
 道すがらペルディータはエステルに、自分は半分テキサス人で半分メキシコ人の血をひき、身内が殺し合いをするようなつらい地獄の子供時代だったことを語る。ロメオもまたドォエインに、南の島の呪術師である祖母の事や、幼い頃野外上映で観た映画『ヴェラクルス』こそ男の行き方であると説いた。途中、サントスの手下の経営するクラブに立ち寄ったロメオは、ブツを届けた後、サントスが自分を殺す計画をしているという情報を入手する。
 意を決したロメオは、ベイルート時代の戦友ダグ(ミゲル・ガルヴァン)の家に、心配するペルディータと若い二人を残し、ダグと二人、サントスの手下が待ち伏せるラスベガスの秘密工場に乗り込んでゆく。一方、満身創痍のD.E.Aのデュマスも、無能の部下ドイル(アレックス・コックス)の協力で秘密工場の場所をつきとめ、ロメオを待ち伏せする。
 いやな胸騒ぎを覚えたペルディータは、初めて心も体も結ばれて本当の生の喜びを知った若いカップルに、何か祈りをたくすようなおももちで、二人を解放してやる。そして女一人、ショットガンを握りしめロメオを助け出すべく秘密工場へと向かう―。
 果たしてロメオとペルディータに、明日はあるのか―。

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