『乾いた人生』ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督/ブラジル/1963年/モノクロ/105分/35mm
出演 アッチラ・イオリオ、マリア・リベイロ、オルランド・マセード、他
乾いた人生  ブラジルの半乾操地帯で生きる零細農民ファビアーノは干ばつですべてを失い、妻と幼子二人、犬一匹を連れて旅に出る。潜り込んだ農場で農場主に搾取され、肉を売りに町へ行くと小役人が税金を求め、喧嘩を売られ留置所へ。そして再びの干ばつ・・・。彼らに人間らしい生活は訪れるのか?ドス・サントスが「極端に悲惨な社会的現実」を証言する。
『オグンのお守り』ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督/ブラジル/1974年/カラー/112分/35mm
出演 ジョフレ・ソアレス、アネシー・ローシャ、ネイ・サンターナ、他
オグンのお守り  ブラジルには未だに民間信仰が根強く残っている。オグンは呪術的なウンダンバ教の一つ。軍神として戦いを司る。そのオグンの加護で不死身の体を得たガブリエルは犯罪組織で働き、めきめきと頭角を現して行く。そこにあるのは裏切りと復讐。迷信的な要素と現実が曖昧に融合する、ブラジル製ギャング映画の決定版。
『人生の道』ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督/ブラジル/1980年/カラー/103分/35mm
出演 ロメオ・J・モトス、ジョセ・A・サントス、ナディア・リピ、他
人生の道  歌手をめざし大都会サン・パウロにやってきたふたりの貧しい若者が、「ミリオナリオ(億万長者)とジョゼ・リコ(私は金持ち)」という皮肉な名のデュエットを組む。
 ふたりの歌がひょんなことから大ヒットし一躍人気者になるようすを、オペレッタ風映像で軽快に見せ、同時に彼らの故郷への思いを痛切に描く。
『監獄の記憶』ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督/ブラジル/1984年/カラー/188分/35mm
出演 カルロス・ヴェレーザ、グロリア・ピレス、ジョフレ・ソアレス、他
監獄の記憶  ブラジルの作家グラシリアーノ・ラモスが政治犯として投獄され、人間の尊厳を綴った「監獄の記憶」が原作。収容所へ移送されたラモスは、それまでの秩序、道徳を粉々にされる。地獄のような日々を綴っている彼の下へ囚人達が集まってくる。「本に俺達のことを書いてくれ」それは本の中で生き続けたいという囚人達のささやかな願いだった・・・。
『田園詩』オタール・イオセリアーニ監督/グルジア(旧ソ連)/1975年/モノクロ/98分/35mm
出演 ナナ・イオセリアーニ、レソ・チヤルハラシヴィリ、他
田園詩  ひと夏の休暇を過ごすため四重奏団が田園にやってくる。出逢いと別れのモチーフが主旋律として響くなか、チェロやピアノの音、雨の音、木の葉のざわめきが幾重にも変奏され、フィルムに定着していく。と同時に、プチ・ブルに対するシニカルな批評性をも込めた、グルジア生まれの驚異の映画作家イオセリアーニの作品が、当映画祭に初登場。
『ギャベ』モフセン・マフマルバフ監督/イラン・フランス/1996年/カラー/73分/35mm
出演 シャガイエグ・ジョタト、アッバス・サヤヒ、ホセイン・モハラミ、他
ギャベ  ギャベとは、絨毯(じゅうたん)のこと。そしてこの映画では、ギャベは絨毯の精、恋する美しい遊牧民の娘の名前でもある。赤、緑、青、黄色に満ちあふれたイランの自然と、ちょっぴりエロチックなおとぎ話が混然となって、映画自体がまるで一枚の絨毯を作るように、染色され、紡ぎ出され、構図が決まり、織り込まれてゆく。
『条理ある疑いの彼方に』フリッツ・ラング監督/アメリカ/1956年/モノクロ/80分/35mm
出演 ダナ・アンドリュース、ジョーン・フォンテーン、他
条理ある疑いの彼方に  ナチスへの協力を拒否して映画製作の場をアメリカに求めたフリッツ・ラング、最後のアメリカ映画作品。無実の者が死刑にされる可能性があるという司法制度に対する疑いと共に、野心、打算、功名心といった人間の性(さが)をも鋭く描き出している。ラスト数分間のどんでん返しに思わずため息が出る、2000年日本初公開作品。
『フルスタリョフ、車を!』アレクセイ・ユーリエヴィッチ・ゲルマン監督/フランス・ロシア/1998年/モノクロ/142分/35mm
出演 ユーリー・アレクセーヴィチ・ツリロ、N・ルスラノヴァ、M・デメンティエフ、他
フルスタリョフ、車を! ■ スターリン最期の局面の1953年。赤軍の将軍でモスクワの大病院の脳外科医でもあるユーリー・クレンスキーは、KGBが企てた医師団陰謀事件に巻さ込まれる。時代の波に翻弄されるクレンスキーの運命は?将軍の替え玉、愛人、大物政治家など多くの人物が怪しく出現し、唐突とも思える展開の連続の中、近代ロシアの時代の空気が紡がれていく。
『白い花びら』アキ・カウリスマキ監督/フィンランド/1998年/モノクロ/78分/35mm/サイレント
出演 サカリ・クオスマネン、カティ・オウティネン、アンドレ・ウィルムス、他
白い花びら  アキ・カウリスマキのサイレント映画。傍目に見てもみすぼらしい田舎でキャベツを作る夫婦、ユハとマルヤ。ある日ひとりの男が二人の前に現れてから、慎ましい家庭は崩壊していく。あくまでもメロドラマの通俗性に徹しつつ、人間の輪郭をくっきりと描き出すことに成功している。ラストの文明批評にすらなっているシーンは圧巻。
『映画史』ジャン=リュック・ゴダール監督/フランス/1998年/カラー/268分/ビデオ
映画史 「夢の工場」という文字とともに、ボルヘスを引用するゴダールの声を聞こう。「もしもある男が/もしもある男が、夢の中で楽園を横切り、通り抜けた証しとして、一輪の花を受け取り、目覚めたとき、手の中のその花に気づいたとしたら、なんと言ったらよいのか。/私が/その男だった」。『映画史』を締めくくる最後のフレーズである。夢の工場、それは映画(たち)のこと?一輪の花、ゴダールにとってそれは何なのだろう?
『サディスティック&マゾヒスティック』中田秀夫監督/日本/2000年/カラー/91分/35mm(初公開)
出演 小沼勝、中田秀夫、荒井晴彦、井上治、小川亜佐美、小原宏裕、他
サディスティック&マゾヒスティック  日活ロンマンボルノを撮りつづけた監督、小沼勝のドキュメンタリー。サデイステックなまでに壮絶な撮影現場。なぜか、周囲の映画人が彼を語る眼差しは遠く温かい。中田秀夫自らがマゾ的に行うインタビューを通じロマンポルノが映画史に残した汚点ゆえの美点が浮かび上がる。中田は、ロンマンボルノに魅了され超難関日活に合格。小沼の助監督も務めた。
『忘れられぬ人々』篠崎誠監督/日本/2000年/カラー/120分/35mm(初公開)
出演 三橋達也、大木実、青木富夫、内海桂子、風見幸子、真田麻垂美、他
忘れられぬ人々  南方戦線で生き延びた木島(三橋達也)は、世間から離れてひっそりと暮らしている。戦友(大木実、青木富夫)と三人で時折酒を酌み交わすときが彼らの最良の時間。そんな彼らの日常に、老人を喰い物にする忌まわしい悪徳会社が暗躍する。許せない。彼らは立ち上がる・・・。なみおか映画祭特別協力作品が遂に完成。
『EUREKA(ユリイカ)』青山真治監督/日本/2000年/モノクロ/217分/35mm(初公開)
出演 役所広司、宮崎あおい、宮崎将、斉藤陽一郎、国生さゆり、光石研、他
かさぶた  バスジャック事件を生き残った運転手と兄妹だが、妹は言葉を失いそれぞれの家族は解体する。二年後、兄妹の従兄を加えた四人はバスを手に入れ街を発つ。田村正毅のキャメラによるシネスコ、モノクロの画面を見るとき、私たちは1995年に起こった二つの事件に対峙する映画を獲得したことを知るだろう。2000年カンヌ映画祭国際批評家連盟賞受賞作品。

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